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事件現場の加害者自宅アパートはゴミ屋敷に近い状態だった(写真はイメージ)
「滋賀県で起きたマッチングアプリの事件」といえば、最も有名なものは2019年に起きた「滋賀県同居男性虐待殺害事件」である。
当記事では、この事件の詳細をまとめる。
最も大切なことは、被害者の男性のご冥福をお祈りすることである。
そして、事件に至る経緯を明らかにすることで、同様の悲劇を防ぐことである。
同じ目的につなげるため、この事件以外のマッチングアプリで起きた殺人事件については、下の記事でまとめている。
マッチングアプリの殺人事件・日本&海外の14例―出会系サイトの事例含む
また、殺人以外の事件については、下の記事で全て一覧にしている。
【2/24更新】マッチングアプリ事件381例-出会系サイト殺人等犯罪被害ニュース一覧
その他、当事件と並んで有名な「Tinderで起きた大阪の殺人事件」については、下の記事を参照されたい。
マッチングアプリ・Tinderの事件|大阪民泊外国人・兵庫県女性殺害事件
(文責:制作ディレクター・藤井誠二)
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滋賀県同居男性虐待殺害事件
2019年10月25日に、滋賀県で起きた事件。
母子2人がかりで1人の男性を半年間虐待し、殺害したもの。
最初に書いておくと、この事件はマッチングアプリが原因で起きたものではない。
加害者の小林久美子被告(55)が、個人的にアプリを使っていただけである。
そのプロフィールに掲載していた自撮り写真が上の画像で、この写真が広く拡散されたため「マッチングアプリの事件」というイメージが定着した。
事件のデータ
発生年月 | 2019年10月25日 |
---|---|
場所 | 滋賀県愛荘町 |
加害者 | 小林久美子被告(55歳・母親) 息子(19歳・アルバイト作業員) |
被害者 | 岡田達也さん(当時25) |
概要 | 母子が同居男性に虐待を繰り返し殺害 |
虐待の時期 | 2019年6月~10月(5ヶ月間) |
虐待の経緯 | 同居していた岡田さんが、退職により生活費を入れられなくなった |
同居の経緯 | 岡田さんは小林被告の娘と同棲していたが、別れて住む場所がなくなり、小林被告が招いた |
事件の概要
出典:FRIDAY
ここでは、事件の概要を以下のように分けてまとめる。
事件の詳細
虐待の内容
- 素手や金属棒で、顔面や全身を殴っていた
- 食事をほとんど与えなかった
- 岡田さんの家族に電話をかけ、悲鳴を聞かせて脅迫していた
被害男性の状態
出典:週刊女性
本来の岡田さんは、身長174cm・体重50kg前後だった。
しかし、死亡時の体重は30kg台に減少していたという。
また、遺体には数十カ所の傷があり、左腕は骨折していた。
岡田さんはなぜ、加害者2名と同居したのか
岡田さんはもともと、小林被告(55)の娘と同居していた。
娘・A子さんは30代である。
岡田さんは事件当時25歳であったため、歳も近かった。
岡田さんとA子さんは同棲していた。
しかし、やがて別れたため、岡田さんは住む場所がなくなった。
その時、小林被告が「うちに来ればいい」と誘ったという。
交際し、同棲していた女性の母親なので、岡田さんも自然に受け入れた。
同居を始めたのは、2018年10月頃である。
岡田さんの家族をどのように脅迫していたか
出典:iZa(イザ)
このように部屋の外にも大量のゴミを放置しており、しばしば注意を受けていたという。
加害者2名は、岡田さんの兄(29)と、父親に対しても脅迫を行っていた。
2019年8月~10月にかけて複数回電話をかけ、通話中に岡田さんを殴って悲鳴を聞かせていたという。
「今、殴ったぞ」「(岡田さんが嘔吐し)床が汚れた。どうしてくれる」などの言葉で脅迫を重ねていた模様。
岡田さんを殴る以外では、以下のような言葉で脅迫をしていた。
- 「(岡田さんの)面倒を見ている。金をくれ」
- 「私たちは付き合っていて妊娠もしている。子どもをおろす金もよこせ」
- 「用意せんとヤクザを連れて行く」
- 「150万円送れ」
「妊娠している」という理由で脅していたが、滋賀県警の捜査で小林容疑者の妊娠は確認できなかった。
事件の経緯
なぜ虐待されたのか
出典:週刊女性
18年10月当初は、通常の同居をしていた。
しかし、2019年春頃に岡田さんが仕事を退職した。
この退職によって生活費を入れられなくなったことで、小林被告らが虐待を加えるようになったという。
なお、退職前から岡田さんの収入は小林被告に管理されていた。
事件発覚の経緯
小林容疑者の119番通報によって発覚した。
2019年10月25日、その日も虐待を受けた岡田さんが、呼吸をしなくなった。
そのことに気づいた小林容疑者が119番通報。
搬送先の病院が滋賀県警に連絡し、事件が発覚した。
【参考】同居男性を殺害容疑 食事与えず暴行 滋賀・2人逮捕|朝日新聞
逮捕までの経緯
岡田さんが亡くなったのは、2019年10月である。
それから逮捕まで1年をかけて、滋賀県警は慎重に調査を進めた。
調査を時系列でまとめると、以下のようになる。
岡田さん殺害 | 2019年10月25日 |
---|---|
最初の逮捕(岡田さん兄への恐喝容疑) | 2020年10月14日 |
2回目の逮捕(最初の男性への虐待) | 2020年11月4日 |
3回目の逮捕(岡田さんの殺害) | 2020年11月25日 |
ここまで時間がかかるのかと驚くかもしれないが、県警は間違いなく小林被告を強く疑っていたはずである。
それでも、確実な証拠を隠滅されないようにつかむには、慎重な捜査が必要だったと推測できる。
男性は「自由に外出できたのに逃げなかった」(捜査員)
捜査関係者は岡田さんの状況について「拘束されていたような形跡はなく、自由に外出できる状態だった」と語っている(参考)。
週刊女性の取材でも「ひとりで近所に買い物にも出かけてい」たという。
それにも関わらず岡田さんが逃げ出さなかった理由として、小林被告が免許証を預かっていたことなどが指摘されている。
それに加えて、繰り返される暴力によるマインドコントロールもあったとみられる。
小林久美子被告の人物像
「男性器を切った」として地元で有名だった
小林被告は2012年「男性の性器を切った」として、地元で噂になっていた。
この件をフライデー記者が刑事に確認したところ、結束バンドで縛って壊死させたというのが実態だという。
(それでも噂に非常に近い行為である)
自分の3人の子供にも虐待を加えていた
出典:iZa
小林被告には子供が3人いる。
その全員に虐待を加えており、子供たちは3人とも児童養護施設で育った。
施設を出る年齢からは小林被告と同居する時期もあったが、逃げては戻る生活を繰り返していたという。
被害者の岡田さんと交際していた時期のある娘・A子さんも、施設を出てからも虐待を受けていた。
この事件の裁判で、娘は小林被告と同居していた約1年4カ月を「地獄の生活」と振り返っている。
- 髪の毛をつかまれて顔を壁に打ち付けられた
- 胸などにたばこを押し付けられた
などの虐待を受けていたという。
【参考】暴行死初公判、母親の虐待は子供に茶碗1杯の冷や飯|iZa
小林被告と過去に交際していたB氏(滋賀県在住)によればA子さんが「おばさん(小林被告)に暴力を振るわれてご飯も食べさせてもらえない」と助けを求めてきたこともあるという。
この内容から、食事を十分に与えられていなかったことがわかる。
【参考】フライデー
2011年には別の男性を虐待
出典:週刊女性
小林被告は、2011年にも男性を虐待していた。
当時23歳の男性と同居しており、小林被告と合わせて3名の加害者で虐待を繰り返していたといいう。
(被害者男性以外に、小林被告は2名の男性と同居していた)
その時は鼻を骨折させるなど、全治6ヶ月の重症を男性に負わせたという。
この男性も当時激やせしていたといい、岡田さんへの虐待と手口が似ている。
昔から多くの若者と同居していた
小林被告は、昔から多くの若者と同居していた。
若者が多く集まっていた理由について、小林被告と付き合いのあった男性は、以下のように語っている(要約)。
- もともと姉御肌の気質がある
- 親が心配するようなことをしても咎めない
- 悪いことをしても注意しない
このような理由で、いわゆる「不良」の少年少女にとっては、居心地が良かったという。
小林被告の非常識な価値観が、彼らには「寛容」と映っていたようだ。
事件現場のアパートには、夜になると頻繁に、バイクに乗った若い男が10人ほど集まっていたという。
そして、深夜遅くでも大声でしゃべり続けていたということだ(参考)。
元交際相手・B氏から見て小林被告はどんな人物だったか
B氏が付き合い始めた当初、小林被告は「面倒見のいいお姉さん」だったという。
洗濯をしてくれる、時々お弁当を作ってくれるなどし、B氏にとっても居心地がよかったという。
37歳という年齢が嘘なのは明らかと感じていたが、その点は問題がなかったようだ。
当初は居心地が良かったものの、小林被告は徐々に家事などの手伝いを全くしてくれなくなった。
「朝から酒を飲んで寝ているだけ」だったという。
小林被告は生活保護を受けており、働いていなかった。
参考資料一覧
- 滋賀・同居男性殺害 容疑の女、生活費途絶えて暴行か|産経新聞
- 《滋賀発》ゴミ屋敷で年下男を暴行処刑した“ヤマンバ中年女”の異常さと「支配の手口」|週刊女性PRIME
- 悲鳴を家族に聞かせ、現金要求か 同居男性の殺人容疑|朝日新聞
- 55歳女性が25歳男性を殺害した事件で判明「衝撃不倫の過去」|フライデー
- 滋賀・同居男性暴行死「食事1日1回」 元少年の初公判で検察側|毎日新聞
- 滋賀・愛荘町の同居男性暴行死 元少年に懲役11年判決 大津地裁|Yahoo! JAPANニュース
- 滋賀同居男性殺人 主犯女性、別の若者にも同居持ちかけ|iZa
- 同居男性を暴行し殺害容疑、55歳女ら逮捕 食事与えず|朝日新聞
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